全国のトイレのつまり
夫の実家では1年中掘りごたつで食事をしていて足も疲れないから、うちでもぜひと入れたのですが、2人の子がハイハイする間は落ちるのが心配で開かずじまい。
その後も結局、おもちゃが散乱しているので、面倒くさくなってしまったのです。
子どもがいるととくにそうなんですが、高級なダンスより1500円の収納ボックスが便利。
うちはついにクローゼットの一扉もはずしてしまって、プラスチック製の引き出しボックスでみんなの服を整理してます。
た洗い物を風呂の残り湯を使って洗濯し、それを干したり取り込んだりする動きがスムーズになるからです。
でも、1階にキッチン、2階に寝室がある場合には、洗濯と勝手仕事は並行してやりますから、どうしても往復することになってしまいますが。
設計した時期が真夏だったりすると、ついつい冬の暖房のことを忘れがちです。
我が家ではFF式の灯油ストーブを後から入れることになり、排気のために壁に穴を開ける必要が生じました。
設置したいところの外壁に、雨戸があってダメだったり…冷暖房は、はじめ温水洗浄便座のトイレはとても気持ちがいいのですが、子どもの幼稚園の友達が大勢押しかけたとき、イタズラされてトイレが水浸しになったことがありました。
ハイテクの機械類のつまみやスイッチは、幼いギャングたちには恰好の餌食です。
最近建てた家に、上から降りてくるタイプの電動雨戸を付けた人がいて、タイマーがセットできるんだそうです。
1週間くらい旅行して家を空けるときでも、朝晩自動的に開け閉めすると、誰かいるように見えるからって。
私も、もう一回建てさせてくれれば、今度はうまくやれるでしょうけど……。
就職よりも結婚よりもムズカシイ?「家は3回建てなきゃわからない」という諺があるように、選んで選んで、選び抜いたつもりでも、まだ数百通りのチョイスがある家づくりの世界には、どうがんばっても「今度こそは!」がついてまわる。
就職や結婚よりも、希望どおりにことを運ぶのは難しいかもしれない。
だからこそ夫婦の間では、その史上最低のミステイクを許す寛容と、ミスを楽しみに変えるクリエイティブなアイディアが、成田離婚ならぬ新築離婚を防ぐ接着剤にもなるだろう。
我が家の場合でいえば、キッチンの足元温風機は結局いらなかった。
妻が寒がりで、いつも足先にしもやけをつくっているほどだったから、鳴り物入りで導入した設備だ。
でも、家の中に一つそういったムダの象徴があると、よくわからない設備については次から慎重になる。
ともあれ、我が家の足元温風機は、子どもたちの体操服が乾ききっていなかったときや、雪の日の手袋を急いで乾かすときに使われてはいる。
「バリアフリー」という言葉が日本の住宅市場を席巻して久しい。
ところが不思議なことに、私が仕事でこの3年ほど、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパの老人介護施設を刈力所以上見てまわって、介護する側からこの言葉が出てきたことは一度もない。
それほど欧米では浸透しているともいえるのだが、日本の「バリアフリー」はどうもキャッチフレーズとしてウリの道具に使われているだけで、中味に相当の勘違いがあるように思われる。
日本の住宅で「バリァフリー」というと、「床の段差がない」「階段に手すりがある」「トイレや浴室にも体重を支えるバーがついている」ことと理解されている。
実際私が自宅の基本設計の考え方をまとめ、数社に見積もりコンペを依頼した折にも、和室の床を仙如ほどダイニングの床から上げたいというと、必ずバリアフリーにしなくていいんですちなみに我が家では、ダイニングのイスも座面が床から伽、になるように足を切って高さをそろえた。
でも一番居心地のいいイスは、いまでも和室の縁である。
和室の床を判、上げるということは、天井高が変わらないとすれば、和室にお客様をとおしたとき、天井が低くて気になる可能性も出てくる。
それでも私がこの案にこだわったのには、訳がある。
まず、続き間となっているダイニングと和室の関係に立体感を持たせ、キッチンやダイニング側から、和室を劇場のように見せる演出をしたかった。
実際に住みはじめてみて、この効果はすぐに証明されることになる。
妻がキッチンで料理をしているときや、私が友人を招いてダイニングテーブルで一杯飲んでいるようなとき、子どもたちはあたかも劇場の舞台のような和の空間で、相撲を取ったり、おもちゃを持ってきて遊んだりしている。
もちろん、自分が大人たちの視野の片隅で見られていることを意識して、そのことに安心感を持っている。
我が家を訪ねた何人かの建築家は、異口同音に「ここは思い切って段差を設けたことで、逆に一体感が出てますね」と語る。
床板と同じ高さの畳の上では、ちょっとうたた寝する気も起きない。
私は2級ヘルパーの資格を持っているのだが、実は側、の段差があると、万が一家族の誰かが車椅子の生活となっても、車椅子から和室にラクに体を移せるというメリットもある。
段差の部分には、子どもたち3人分の引き出しを設けた。
上の子は、そこで宿題もする。
和室の縁が勉強机になろうとは考えもしなかった。
子どもは大人の想像を超えて、家のあちこちを予想外の使い方で遊ぶ。
玄関側から和室への入口には、小さな階段があるのだが、このへこんだ場所は、次男が眠くなったときや泣きたいときに、タオルを持ち込んで好んで身を入れる「隠れ家」でもある。
バリア(障害物や段差や、何かの理由で危険な場所)は、人の健康を維持する刺激でもある。
だから私は、家にはバリアがあって当然だと考える。
私の尊敬するある先輩は語る。
階段はたしかに、高齢者にとって事故率が高い危険な場所だ。
では、なるべくなくしてエレベーターにしたほうがよいのだろうか。
北海道の住宅メーカー「木の城たいせつ」Y社長の言葉が、より本質的だと思われる。
「よく1階の玄関横に和室を作って、高齢者を閉じこめてしまう家族がいます。
階段は危ないし、昇り降りは疲れるだろうからというのが理由のようですが、私は違うと思う。
むしろゆっくりと昇れる長い階段を作って、一番上の階に老人を住まわせた方が、健康にいいんです。
むしろ電信柱の存在が通行人を守っている側面があるんですね。
電信柱がジャマだからこそ、スピードが出せないし、人にも気を配らざるを得ないから」段差については、部屋と部屋の間にある中途半端な段差、つまり「つまずき」を誘う段差が一番危ない。
また、階段については、通常・7mの踏み板の奥行き(業界では踏み面と呼ぶ)が妬、以上あると安心感が出てくるし、段差(蹴上げと呼ぶ)は低くすると、お年寄りでも比較的楽に昇れる階段になる。
かなりゆったりとした気分で上がり下りする場所になった。
一昨年訪ねたオーストラリアにある重度痴呆症老人が住む老人ホーム「アダース・ナーシング・ホーム」では、キッチンを開放型にして、朝、昼、晩と、料理の匂いをホームじゅうに広げキッチンを設計するとき、料理の際の油がはねたり、煙がダイニングにもうもうと広がることのないように工夫することは、いうまでもなく大事なことだ。
ただし、それを意識しすぎて、匂いが2階まであがっていかないように、閉じたキッチンにしてしまったり、過剰な設備を打つのはどうかと思う。
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